13 Ghosts (1960)　13ゴースト

　『ザ・ティングラー』に引き続いてのウィリアム・キャッスル監督作品第2弾、ちょうど今頃アメリカでリメイク版が公開されている筈の『13　Ghosts』です。例によってウルトラデラックスネタバレです。このネタバレ、当然リメイク版にも通じると思いますので、皆様、いつにもましてよりいっそう御注意くださいませ。

　警告、警告、このＤＶＤのリージョンは1です。したがって日本国内のＤＶＤプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

　貧乏で家具を差し押さえられた博物館職員の主人公サイラス・ゾルバ（ドン・ウッズ）、息子のバック（チャールス・ハーバート）も誕生日パーティで、「きれいなオウチに住んで、知らないオジさん達が家具をもっていったりしないような生活ができますように」と願ってケーキのろうそくを吹き消したりしています。そこに、届けられた1通の電報、その指示にしたがって、ベンジャミン（マーチン・ミルナー）という弁護士を尋ねた彼等は行方不明だったサイラスの叔父、プラトー・ゾルバ博士からある屋敷を遺産として譲りうけたことを知らされたのでした。でもベンジャミン、愛想のいい顔で、ここは幽霊屋敷ですからなあ、どうもこの叔父さんという人は世界の幽霊を12体集めたという噂のあるひとで、幽霊も遺産に入っているんですよ、いっひっひ、などと盛んにゾルバ夫妻を脅かします。もう一つ、彼等に残された小さな包み、お金だったらいいのにという期待をあっさり裏切ってでてきたのは、怪しいメガネでありました。実はこのメガネ、ゾルバ博士が発明した幽霊をみることのできる、特殊メガネだったんですねえ。

　早速に屋敷に引っ越す、主人公とその家族。喜んだのもつかのま、息子が隠し戸棚から見つけてきたウィジャーボードで遊ぶと、この屋敷には幽霊がいっぱいいる、そして誰かが殺されると予言されたりして、みんな真っ青になってしまいます。それどころか娘が叔父の幽霊に襲われたり、サイラスが幽霊に導かれてボタンを押すと、天井がぐぐっと下がって寝ている人を押しつぶしてしまう仕掛けのあるベッドを見付けたりして、もう、こんなとこにはいられない、引越しするぞという大騒動になります。

　またサイラスがウィジャーボードと同じく隠し戸棚からみつかった、ラテン語の本の解読を依頼した博物館の上司も、「うわ、君の屋敷、おじさんが集めた11体の幽霊がいるってよ」「えっ、12体じゃないのですか」とサイラスが尋ねかえすのに、「待て待て、12体目の幽霊は殺された叔父さん自身だってさ、詳しいことを知りたければ、霊媒師のエレーンに降霊してもらえって、うわ、こええ」サイラス、「げぇっ、エレーンって家の家政婦のオバさんですよ」とびっくりします。

　さっそく、家政婦のオバさんに頼んで降霊会が行われることになりました。仲間に入れてもらえなかったバックはふて腐れて階段の手すりを滑り降りたりしている内にお金が詰まった階段下の隠し物いれを発見、たまたま訪れた弁護士のベンジャミンは現金を見るなり、顔を輝かせ、実はこの屋敷には大金が隠されているかもしれないんだ、二人でみつけてみんなをびっくりさせよう、だから、このことは誰にも言うなよ」結局こいつが一番怪しいのですな。もうだいたい話が見えてきた感じではありませんか。一方、降霊会にあらわれたゾルバ博士の霊、「13番目の幽霊は今夜殺されるのだ」と不気味な予言を致します。

　結論からいうと、やっぱり、ベンジャミンが犯人で彼はゾルバ博士がため込んでいたお金目当てに博士を殺害し、幽霊を装って主人公家族を屋敷から追い出した後、ゆっくりお金を探そうとしていたのであります。ベンジャミンはバックを例の天井の下がってくる殺人ベッドで挟み殺そうとしますが、ゾルバ博士の幽霊にベッドに押し込まれ逆に挟み殺されてしまうのでした。翌日、見つかったお金のたばを数えながらほくほくしているゾルバ一家。しかし、幽霊を見ることのできる、例の特殊目がねがついと浮かびあがって砕け散り、屋敷のドアにぼんやりと浮かびあがってくる「売り物件」の文字。事件はまだ終わっていなかったのです。

　キャッスルならではのちょっと捻ったゴーストストーリー。この作品でも“Illiusion-O”というギミックが使われていて、どんなものかというと、
赤のセロファンを通して画面をみると、幽霊が見える、青のセロファンを通すと、幽霊は消えてしまう、なぜならば、幽霊は赤いからだ、んんん、な、なめてんのかあ。このＤＶＤ、ちゃんと“Illiusion-O”用の特殊メガネが付属しています（笑）。

　モノクロ・ワイドスクリーン、スクイーズ収録。画質は優秀なれど、うっすらとした青い線が気になります。ひょっとして、私の目がおかしいだけなのか。音質は上々、『ザ・ティングラー』と同じく英語・スペイン語・中国語、タイ語、ポルトガル語、韓国語字幕入り。でも、この字幕黄色なんだよな（笑）。

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