Rocky Jones Space Ranger:Beyond the Moon 1954
『Rocky Jones Space Ranger:Beyond the Moon』(1954年）、言わずと知れた『宇宙レンジャー、ロッキー・ジョーンズ』シリーズの一本です。もう全宇宙的大組織である筈の世界連邦本部に三人しか人がいなかったり（しかもそのうち2人は敵のスパイ）、宇宙船ががんがん飛んでいる世界で、航宙日誌がなぜか手書きだったり、たのしいったらありません。畢竟、私はこういうのが好きで輸入DVDを集めていることを改めて確認させられました。
宇宙を進む、ＸＰ-2、ロッキー・ジョーンズとウィンキーは世界連邦本部へ連絡します。「こちら、ＸＰ-2 ロッキー・ジョーンズ、ただ今地球に帰還します」本部から嬉しそうに返事をする世界連邦長官、ドレイク。「おお、よく帰って来たロッキー・ジョーンズ、任務はどうだったかね」「ははは、いつも通りのルーティンでしたよ！」ロッキーの通信を聞いたウィンキー、「あんないつも通りのルーティンがそうそうあっちゃたまりませんよ」
シュバーっとロケットを逆噴射したＸＰ-2、無事、地球の世界連邦本部へと降り立ちます。とその時、ゲートを突破して猛スピードで本部に突進してくる車。これに乗っていたのはヴェナ・レイ、どうやら長官に緊急の用件がある様子です。宇宙船から降りたロッキー・ジョーンズとウィンキーはそんな彼女に興味を持ち、本部に急ぎます。長官、「おお、君はヴェナ・レイじゃないか。しかしあぶないことをしたな。基地の光線銃でじゅっとやられてたかもしれないのだぞ」「長官、私がお話したいのは他ならぬニュートン教授のことなのです」その名前を聞くなり顔を強張らせる長官。「ニュートン教授は世界連邦にとっての裏切り者だ。彼は惑星オフィシアスに寝返ったのだ」ニュートン教授、世界連邦、オフィシアス科学者交換プログラム（なんだかよく分かりませんが）でオフィシアスに滞在していたのですが、突然、フィルムで絶縁状を送ってきて、そのまま帰ってこなくなってしまったのであります。ヴェナ・レイはこのプログラムで、通訳を務めていたのですな。ちなみに、ヴェナ・レイとロッキー・ジョーンズとウィンキーは初対面。そう、これがシリーズのファーストエピソードなのです。
ヴェナ・レイは必死になって「長官、それは違いますわ。教授は別れ際に長官に渡してくれとこんなものを私に預けたのです」それは金属のメダルでした。「教授はきっと彼の意思に反してオフィシアスに止まることを余儀なくされたのです」ロッキー・ジョーンズとウィンキーもヴェナの一生懸命さにほだされ「長官、もう一度絶縁状のフィルムを見てみましょう」ここからフィルムの上映。壁のスクリーンに映し出されたのは教授と、ボビー、そしてオフィシアス人の面々。教授は語ります。「私はオフィシアスに残る決心をしました。私ひとりではとうていこの決心はできなかったでしょうが、ボビーのためを考えたのです。オフィシアスにはボビーにとっての輝かしい未来があるのです」これを見ていたロッキー・ジョーンズははたと膝をうって、「長官、これはボビーが人質にとられてますな。教授は脅かされたに違いありません」
ここにニュートン教授、ボビー救出作戦、オペレーションへイスタックが発動したのでありました。長官は「オフィシアスの連邦大使館は閉鎖されてしまった。これはとてつもなく困難な任務となるぞ」ヴェナ・レイ、よせばいいのに「私も作戦に志願しますわ」「そんな、これはピクニックじゃないんだ」驚いて叫ぶジョーンズ。しかしヴェナは涼しい顔で「あら、私もピクニックは嫌いですのよ。私、お役に立てると思います。オフィシアスの言葉、生活習慣、現地の状況を知っているのは私だけなんですから。それにわたくし、航宙士のライセンスも持っておりますの」ジョーンズはしぶしぶ彼女の乗船を許可します。そして長官に見送られて飛び立つ、宇宙船ＸＰ-2、頼むぞ、ロッキー・ジョーンズ、ウィンキー、ヴェナ・レイ、驕敵オフィシアスを倒して教授を救うことができるのは君たちだけだ。
しかし、早くも任務に立ち込める暗雲（笑）。連邦本部にもぐりこんでいたスパイ、グリフ（レオナード・ペン）がロッキー・ジョーンズの出立を密かにオフィシアス宇宙船ＷＯＸに連絡していたのであります。乗組員のダルガント（フランク・ポラスキ）は部下とともに「ふっふっふ、ロッキー・ジョーンズを待ち伏せてやっつけてくれん」とにやにや。しかしなんですな、グリフはこともあろうに長官のデスクの通信機を使って連絡しているんですよ（笑）。こういうのフツー、見つかりませんかね。
さて、順調に宇宙を進むＸＰ-2、しかし、ロッキー・ジョーンズ、今だヴェナ・レイを一人前の搭乗員扱いしていません。せっかく彼女が「コース変更の提案をします」と操縦席に来たのに、ロッキーたら冷たく「あ、そのコース変更もう済んでいるから。君はいいから編物でもしていなさい」ヴェナ・レイ、怒るまいことか。「はいはい、分かりました、あなたのセーターを編んで差し上げます。もう首から胴回りまでぱっつんぱっつんのきつきつにしますから！」どんな怒り方だ（笑）。それでもヴェナ・レイはやっぱり女の子。何時の間にか編物をしているのが可愛い。
何度も言うようですが、がんがん宇宙船が飛んでいる時代でもやっぱり女の子は編物かい！
そこへ襲ってきたのがオフィシアスの宇宙船ＷＯＸ。ビーム光線がびびびびー、どかーん、被弾の衝撃で大揺れのＸＰ-2。しかしさすがはロッキー・ジョーンズ、巧みな操船でＷＯＸの後ろに占位したかと思うと必殺のビームを放つ！びびびびー、どかどかどかーん、うわー、ＷＯＸ、大きな損害にたまらず退却します。一応の危機を脱して、ビーム光線で破壊された隔壁の修理に取り掛かるロッキー・ジョーンズ、ぽんとボタンを押すと風船が飛び出してきて、空気の漏れているところにぴたり、吸いつけられてしまいました（笑）。おお、結構合理的な仕組みです。ロッキー・ジョーンズ、その個所を調べて、「いかん、これは宇宙ステーションじゃないと修理は無理だ。この船室を閉鎖しよう」でも、私もお手伝いしなくっちゃと焦ったヴェナ・レイ、わざわざこの船室に飛び込んで閉じ込められてしまいました（笑）。ロッキー・ジョーンズ、ドアを焼ききって何とか彼女を救出。空気がどんどん漏れるので宇宙ヘルメットを皆で被って宇宙ステーションＲＶ-5にたどり着いたのでありました。これでヴェナ・レイとロッキー・ジョーンズとのわだかまりは解消、かな？あ、駄目だ、ロッキー、「危ないからここで帰りなさい」とか言っているし、ヴェナはヴェナで「私は37種の言語を操ることができるんです。ここで帰ったりしませんわ」また、喧嘩しております。
燃料補給、修理を済ませて宇宙ステーションＲＶ-5を飛び立ったＸＰ-3、ようやくオフィシアスに到着します。すでに地球との交信可能距離を過ぎており、連絡をとることができません。本部ではドレイク長官が心配することしきり。ここで舞台はオフィシアスのニュートン教授の天文台へ。ニュートン教授、オフィシアスのためにやっている研究が上手く行かないのでダルガントに攻められております。「おらあ、しっかり働かんとボビーを洗脳してしまうぞ。教授のことも忘れてしまって、会ってもあんた誰ですかと言われるぞ」
やっぱり教授はオフィシアス人にボビーを人質に脅されていたのですね。一方、惑星オフィシアスの女王クレオランタはにこやかなに宇宙船ＸＰ-2と交信です。「惑星オフィシアスにようこそ、歓迎しますわ、ロッキー・ジョーンズ。当方の磁力装置で誘導しますので大気圏に入ったらエンジンを切って自由落下状態にしてください」ちなみに、この交信、最初の二言まではオフィシアス語だったのですが、すぐに英語に切り替わってしまいます。ということはわざわざヴェナつれてきた意味、まったくないじゃないですか（笑）。
次にクレオランタ、ボビーを呼び出して「どう、オフィシアス滞在を楽しんでいる？」強気なボビーは「滞在じゃないやい、捕まっているんだい」そんなボビーにクレオランタは協力しろというのですが、勿論ボビーは聞き入れません。かっとなったクレオランタはオフィシアス特製の洗脳マシンを作動させてういんういんういん、ボビーを洗脳してしまいました。
オフィシアスの地上に降り立ったＸＰ-2、さっそくクレオランタとの面談に望むロッキー・ジョーンズです。しかしクレオランタはしゃあしゃあと「私たちに何もやましいところはありません、お友達にも会わせますし、お友達が帰りたいと希望すればそのとおりにします。宇宙船もウチの技術者に修理させますわ」ロッキー・ジョーンズとヴェナ、さっそく天文台へ。ニュートン教授、彼らを大歓迎するのですが、意外なことにオフィシアスに残りたいというのです。それどころか、「オフィシアス人はこんな立派な実験機材を揃えてくれた、これはまさにわしの夢だった」なんて抜かしやがる（笑）。またＸＰ-2に来たボビーの様子も変。「僕はここに残ります。これは僕の意思なのです」ロッキー・ジョーンズ達はがっかり。せっかく地球から助けにきたというのに。ロッキー・ジョーンズは悲しげに「彼らの意思で残るというのならばもう僕たちにできることはない。さあ、地球に戻ろう」ヴェナが天文台までボビーを送っていくことになったのですが、その途中、いきなり頭を抑えて苦しみだすボビー！「うう、眩暈がする、僕達は囚人だよ、ロッキーはどこ」あら、もう洗脳が解けちゃった。役に立たない装置じゃのう（笑）。
その時ロッキー・ジョーンズはクレオランタと面会中。さよならの挨拶だったのですが、狡猾に笑ったクレオランタ、デスクのスィッチをぱちり。むいんむいん、再び洗脳装置が作動します。魅入られたようになるロッキー・ジョーンズ、大ピーンチだったのですが、彼を見つけたヴェナが窓ガラスをばんばん叩いたのでああ、洗脳解けちゃった。役に立たない装置じゃのう。それにクレオランタ、自分のオフィスの壁にでっかい窓つけるセンスはどうか。いかにもさあ見てくださいといわんばかりでこれがなかったらヴェナに邪魔されることはなかったんじゃないか（笑）。ロッキー・ジョーンズ、ヴェナ、すたこらさっさと逃げ出します。
まず天文台へ行ってニュートン教授を連れ出すロッキー・ジョーンズ。教授の洗脳はまだ解けていないようで「な、何をする、わしはここで研究をするのだ」と喚くのですが委細構わず引っ張り出してしまいますな。ヴェナはボビーと教授をたまたま天文台の下にとめてあったオフィシアスの交通機関ってフツーの車やないかい（笑）。それもオープンカーなんだから。とにかくヴェナ・ボビーと教授を車に乗せますな。その間ロッキー・ジョーンズは見張りのオフィシアス人をやっつけます。その中の一人にあのダルガントがいてロッキー・ジョーンズに首を締め上げられ、「おい、どうしておまえらは僕たちが出発することを知っていたんだ。スパイがいるんだな」と聞かれるとあっさり、「世界連邦本部のグリフがスパイです」としゃべっちゃう。もうちょっと抵抗してもバチは当らないと思いますが（笑）。そしてロッキー・ジョーンズはオープンカーでフツーの道路をフツーに飛ばして宇宙船ＸＰ-2に到着。乗り込むなり緊急離陸したのでした。
ダルガント、クレオランタが「なんと逃がしおったか、しかしスパイがいるからの、まだ手のうちようがあるわ」というのにもそもそと、「い、いや、あの女王さま、スパイのことはもうお忘れになった方がいいかと」「何、なんでそんなことを言うのじゃ」「あの、私、ロッキー・ジョーンズに喋っちゃったんで」呆れかえるクレオランタというオソマツ。それじゃあってんで、クレオランタ、磁力誘導装置でＸＰ-2をオフィシアスの月に激突させようとするのですが、寸前でかわされてしまい、これも失敗。「ウキ−」怒り狂うクレオランタであります。
ようやくニュートン教授も正気に返って後は本部のスパイを退治するだけ。ロッキー・ジョーンズはヴェナに航宙日誌としてこれまでの出来事を記録させるのでした。ええ、こんな宇宙船がばんばん飛んでいる時代なのに、日誌は手書きという・・・（笑）。それにヴェナ・例のもう一つの特技はペン習字か（笑）。
さあ、地球に戻るぞとはりきるジョーンズ達、しかし、普通に無線で連絡しては何しろ、無線を最初に聞くのがグリフですから、ばればれになってしまう。一計を案じたジョーンズ、本部へ「オペレーション ヘイスタックは失敗せり」という連絡をします。グリフ、これを聞いて、本当にうれしそう。しかし、このロッキー・ジョーンズ苦心のたくらみ、オフィシアス宇宙船、ＷＸＯのタルガントからグリフに「計画失敗はウソだ。お前がスパイだということもばれているぞ」という無線が入ってあっという間にぱぁ（笑）。
さらにややこしいことに、この無線を盗み聞きしていた長官が「やい、このスパイ、神妙にしろ」とグリフに銃を突きつけるのでした。しかしあっさりとグリフに反撃されて、人質になってしまいます。どうも役に立たない長官ですなあ。それにこの本部、他に人はいないのか。
グリフはタルガントの命令で本部を爆破しようとします。彼はもう一人のスパイ、ラマーズに手伝わせてあちこちに爆弾をセット、時限装置を仕掛けます。ええ、こんな宇宙船がばんばん飛んでいる時代なのに、時限爆弾の時計はアナログの目覚まし時計（笑）。そしてロッキー・ジョーンズを待ち受けるのでした。そんなこととはつゆ知らず、暢気に降下してくる宇宙船ＰＸ-2！グリフは降りてきたロッキー・ジョーンズに銃をつきつけて、ラマーズとともにＸＰ-2を乗っ取ろうとします。しかしそうは問屋が卸さないのが「宇宙レンジャー・ロッキー・ジョーンズ」彼はクレーンに捕まって宇宙船のプラットホームにこっそりと上がり宇宙船に乗り込まんとしていたグリフに襲い掛かるのでした。ジョーンズは叫びます。「ウィンキー、ＸＰ-2発進だ」ジョーンズとグリフは取っ組み合い。不利を悟ったグリフはロッキー・ジョーンズに爆弾のありかを教えるといって誤魔化しまんまと逃走。しかし、割とあっさり時限爆弾を見つけて解除してしまうロッキー・ジョーンズ（笑）。グリフは冒頭、ヴェナが乗ってきたオープンカーに乗り込み逃げようとしますが、ロッキー・ジョーンズは本部の遠隔装置を使って車を爆破してしまいました。ちゃん、ちゃん（笑）。
一方発進した宇宙船ＸＰ-2ではウィンキーが隙をみてラマーズに飛び掛りどったんばったん。ついに銃を奪って彼を縛り上げてしまいます。ここで大団円、めでたし、めでたし。
うーん、やっぱりロッキー・ジョーンズの計画があっさりばれてしまうのは大間抜け（笑）。それに世界連邦本部にいる人間のうち、二人までがスパイやないかい。
モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質はこれまでどおり最悪。画面の下部が歪んでいますし、音声もひずみっぽくて、耳が痛くなります。アルファビデオのDVD。
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