Earth vs. the Flying Saucers (1956)世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す
Starring: Hugh Marlowe, Joan Taylor
Director: Fred F. Sears
DVD Release Date: 9/17/2002
今回の出し物は、1956年製作『世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す』です。特撮担当のレイ・ハリーハウゼン自ら、当時円盤を目撃した人や、宇宙人とコンタクトしたと言い張る（笑）人に直接インタビューして、特撮シーンの参考にしたそうであります。このＤＶＤ、国内版も発売されていますのでそれを買ってにやにやしながら、私の英語力を試そうなんて人は地獄に落ちて、ウンコに漬かりながらタバコを吸うという刑罰を受けさせられて、こりゃ楽でいいやと思ったら、ウンコに漬かった瞬間に鬼がやってきて、「はい、休憩終わり」タバコを取り上げられて、ずぶりと頭までウンコに漬けられたなんて、そんな目に会うがいいのだ！
警告、警告、このＤＶＤのリージョンは1です。したがって日本国内のＤＶＤプレーヤーでは再生できません。警告、警告。
。「世界各地で謎の空飛ぶ円盤が目撃されている！カリフォルニア、カンサスのコーン畑、アジアの田園地帯、飛行中の旅客機、世界中から、円盤を目撃したという報告がもたらされているのだ！」このナレーションに合わせて、なんのためもなく円盤が出現。世界中を飛び回る。特にカンサスのコーン畑。レッドネックおじさんがトラクターを走らせているとその上空を円盤がすぃーっと通りすぎていくという（笑）。ティム・バートン、ここからぱくりましたな。
ここで登場するのが主人公のラッセル・Ａ・マーヴィン博士（ヒュ−・マーロゥ）とその新妻、キャロル（ジョアン・タイラー）。彼らはほんの二時間前に結婚したばかりで、「スカイフック作戦」（出た！）の基地に戻る途中でした。もうなんたって、たった二時間ですから、マーヴィン博士、やる気まんまん、運転しているキャロルの胸、まさぐったり、首筋舐めたりで大変いやらしい。「事故を起すからやめてよ」というまっとうなキャロルの拒絶にあったマーヴィン博士。仕方なしにこれからの「スカイフック作戦」のあり方を持参のテープレコーダーに吹き込みはじめます。とつぜん、どこからともなく聞こえてきたキャインキャインキャイインという怪音に驚くマーヴィン博士。「そんな音聞こえなかったわよ」怪訝そうなキャロル。そして、突如そんな二人の前に出現した空飛ぶ円盤！車を停めた二人を尻目にゆうゆうと飛び去っていったのでありました。
基地に到着した二人はマーヴィンが吹き込んだテープの内容を文章にしようとしますが、その途中でまたも響き渡る怪音、そう彼らは思いかけずもあの怪音を録音してしまっていたのです。
「スカイフック作戦」とは複数の人工衛星を打ち上げ、大気圏外のデータ−を収集しようというものでありました。ここで得られたデータ−が人類の次なるステップ、有人宇宙飛行に役立つことが期待されていたのです。そして第11号ロケットの発射準備が進められます。ここで登場したのが、キャロルの父であるハンレイ将軍（モリス・アンクラム）、彼はロケットの発射を中止するよう求めたのですが、時すでに遅し、秒読みの段階に入っていた第11号ロケットはそのまま発射されます。ハンレイ将軍はロケット発射指令の理由をマーヴィンに説明しようとしますが、キャロルが「私たち、結婚したの」なんて言い出すもんだから、もうハチャメチャ。「結婚て、なんか、わしはお前を男手一人で育てたっつお、そげん恩ば忘れてから、なんも言わんで結婚したて、なんごとか」はらはらと涙を流し男泣きに泣くハンレイ将軍・・・、そんなことにはもちろんならないで、将軍「おう、それは良かったじゃないか」と愛娘を抱きしめただけなんですけどね。
マーヴィン夫妻は彼らの自宅でハンレイ将軍をバーベキュー接待。なんだかアメリカンですっげえまずそうなハンバーガーをぱくつきながら、ハンレイ将軍は二人に思いがけないニュースを聞かせます。「これまで打ち上げられた人工衛星がつぎつぎと地表に落下しているんだ。事故か何者かによる陰謀か、まったく分からない」そんな将軍に円盤を目撃したことを話す二人。「ひょっとしたら、円盤による攻撃かも知れません」そして、三人は上空に現れた奇怪な光球を目撃するのでした。
マーヴィン博士は基地からロケット11号との全てのコンタクトが途絶えたという報告を受け、またまたがっくり。
それにもめげずロケット12号の打ち上げにまい進するスカイフック作戦のスタッフ達。打ち上げを確実に成功させたいマーヴィン夫妻は防音のモニタールームで発射を見守ることになります。防音ですからね、何するんだか、分かったもんじゃないですね、案外ロケットセックスとか、そんなことやろうと思っていたんじゃないですかね。一方、ハンレイ将軍は通常の発射指揮所で打ち上げを見学することになりました。刻々と近づいてくるロケット12号の発射時間。
その時、再び円盤が現れた！見張り所からの報告を「いたずらするんじゃないよ、この野郎」と受け流していたことがたたって、円盤は基地の中心部にやすやすと着陸します。船体がせりあがって露出した円筒状のハッチから、三体の黒い影、わあ、う、宇宙人だ。しかも円盤の周りはなんらかのフォースフィールドに守られているらしいのです。ロボット、もしくはロボット様の宇宙服を着た宇宙人、は基地施設を目指して歩き出します。あわてて迎撃部隊を繰り出すアメリカ軍、ぶわーんと走ってきたジープに搭載されているのは連装のボフォース40ミリ機関砲じゃないですか。どかどかどかどか、無警告で発砲開始だ！凄い、カッコイイ！
ボフォース40ミリ機関銃は円盤のエネルギーフォースから出てきた怪生物を見事に撃ち倒します。調子に乗って二体目をやっつけようとしますが、これがフォースフィールドに阻まれてまったく効果なし。逆に怪生物の両腕から放たれた光線によって蒸発させられてしまいました。周りでぱきゅん、ぱきゅんとガーランドライフルをうっていた兵士達目掛けてさらに光線を放つ怪生物。ぎょぎょぎょぎょぎょおー。蒸発する兵士達。
再び空に舞い上がった円盤は底部からせり出した光線砲を、ぎょぎょぎょぎょぎょおー、ぎょぎょぎょぎょぎょおー、基地をめちゃくちゃに破壊してしまいました。この攻撃で地下の防音モニター室にこもっていたマーヴィン夫妻は閉じ込められてしまいます。
「ここはどこだ」汗まみれの暑苦しい顔で意識を取り戻すハンレイ将軍。あたりを見回して愕然。ここは円盤の内部だったのです！そしてハンレイ将軍に話し掛ける怪しの声。「われわれはマーヴィン博士に連絡しようとしたのだが、我々の時間の流れの違いのせいで理解されなかったのだ」天上からぐいんぐいん怪奇な装置が降りてきてハンレイ将軍に青白い光を浴びせます。硬直する将軍、おー、将軍の脳みそ透けとるで。宇宙人たちはこの装置を使って将軍の脳からさらなる情報を引き出そうとしていたのです。
死の恐怖に怯えるマーヴィン、彼は疲れ果てて寝てしまったキャロルのそばで、自分たちが死んでしまっても情報だけは残そうといままでの出来事をテープレコーダーに吹き込みはじめるのでした。ところが、バッテリーが尽きてしまったので、ゆっくりとしか再生ができません。そして、例の円盤の怪音がスロー再生されると、これはなんということでしょうか。あの怪音がはっきりとした原語として聞き取れたではありませんか。「我々は明日、スカイフック作戦の基地に着陸する。よろしく歓迎されたし」わあ、俺がこのメッセージを理解できなかったばかりに大変なことになってしまった。マーヴィンは真っ青になります。
なんとか救出されたマーヴィン夫妻。マーヴィン博士はワシントンＤＣに向かい、例のテープを使って政府や軍の高官たちに対策を訴えます。が、彼らは信用しません。それどころかそんなテープすぐ偽造できるじゃんと言われてしまいます。そりゃそうですわな（笑）。マーヴィンに許されたのは引き続いて謎の異星人との連絡方法を模索することだけでありました。
ホテルに戻った失意のマーヴィンに無線機を通じて宇宙人のメッセージが届きます。「今夜の何時にどこそこの海岸へ来い。時間を守るのだぞ」小うるさい奴らであります。マーヴィンは反対するキャロルを振り切って海岸へ向かいます。キャロルは護衛役のヒュ−リン少佐（ドナルド・カーティス）とともに彼を車で追いかけます。あっ、スピード違反だ、このやろう、偶然彼らを見つけた白バイ警官（ラリー・ブレイクもその奇妙な一行に加わるのでした。
海岸に到着したマーヴィン、すでに着陸している円盤（笑）。彼を追っかけてきたキャロルとヒュ−リン少佐、白バイ警官もびっくり。立ち尽くす彼らに向かって円盤から声が発せられます。「のんなさい、のんなさい、何人いてもかまわないから、みんなのんなさい」みんな、ぞろぞろ円盤に入っていきますな。するとまた宇宙人が現れて、彼らと地球人との時間の流れの違いや、円盤が磁気フィールドを使って飛行していること、今、この瞬間にも地球征服部隊である円盤軍が地球を包囲していることなどを説明してくれます。彼らは地球を失われた故郷の代わりにしようとしていたのです。
宇宙人はイバりますな。「我々は地球のことをなんでも知っている。ウソだと思うなら、質問してみたまえ」すると、白バイ警官が「ワールドシリーズで優勝回数が一番なのはどのチームだ」また大リーグかよ（爆笑）「ニューヨークヤンキ−スだ」答える宇宙人も宇宙人だぜ。その時、キャロルがはっと気づきました。この質問に答える声は、「お、お父さま」キャロルはよろばいながら現れたハンレイ将軍をみて泣き叫びます。「彼の記憶を利用させてもらった。彼にはもう何の記憶も残っていない」無慈悲に答える宇宙人。「どら、もう一人、利用させてもらうかな」再び天上から怪奇な装置が下りてきて白バイ警官に光線をびびびっ！「こいつも抜け殻になるのだ！」
宇宙人はマーヴィンに56日間の猶予を与えるから、地球首脳との会談をアレンジせよと命令します。宇宙人は地球人の自主的な降伏を望んでいたのでです。解放されたマーヴィン達は、そうは問屋が卸すものかとこの猶予を利用して円盤撃滅のための新兵器作成に取り掛かるのでした。最初は超音波を利用して円盤を破壊しようとするのですが、パワー不足であることが判明。次に断続的な電磁波で円盤の磁気フィールドそのものをかく乱する方法が考案されます。テストの結果は見事に成功。実験室で喜ぶ彼らの頭上にまたあの小さな怪光が現れました！何の脈絡もなく、四国の中学生たちが出てきてしたり顔で説明します。「これは偵察用の小型円盤なんだ、底の穴から水を入れるとじーじーいうよ」
中学生達の言うとおり、研究所の上空に現れる円盤。マーヴィン達は新兵器を使って応戦。円盤そのものを破壊することはできませんでしたが、宇宙人に対しては効果抜群。ばったりと倒れる宇宙人。おそるおそるそいつのヘルメットを脱がすと現れたのは猿を思わせる醜いヒュ−マノイドでありました。宇宙人の死体はすぐさま蒸発してしまいます。一方、逃走を図る円盤。一旦、空中に停止したかと思うと、ぽいぽいと小さな二つの物体を放り出します。いうまでもなく、ハンレイ将軍と白バイ警官の死体なんだから、ひでえなあ、こりゃ（笑）
宇宙人のヘルメットから翻訳機が発見され、研究の結果、彼らの通信が解読できるようになりました。一方、電磁砲の生産も地球上から最高品質の資材が集められて急ピッチで進みます。ＵＦＯ撃退の準備は出来た！
ついにワシントン上空に現れる円盤群、ぎょぎょぎょぎょぎょおー、ぎょぎょぎょぎょぎょおー、鬼神をも泣かしむる大攻撃 ああ、ワシントンモニュメントが破壊された！落下する瓦礫が地上の人間をぐしゃぁっ。ティム・バートン、これをパクりましたな。地球軍も電磁砲で激しい反撃。ぎょぎょぎょぎょぎょおー、ぎょぎょぎょぎょぎょおー、ののののー（電磁砲の発射音）、ののののー、ぎょぎょぎょぎょぎょおー、ぎょぎょぎょぎょぎょおー、ののののー、ののののー、ついに力を失う円盤群、相次いで、地上に落下するのでありました。レイ・ハリーハウゼンが破片のひとつひとつをアニメートしたというこのシーン、これだけでわざわざこのＤＶＤ買った甲斐があったというもんです。
ついに地球人側が最終的な勝利を収めます。マーヴィンとキャロルはカリフォルニアの海岸でお預けになっていた新婚旅行を楽しむのでした。
確かにレイ・ハリーハウゼンの特撮は素晴らしいけど、最後の大激戦、それに頼り切っていささか単調な展開になっております。ここで、もう一ひねり欲しかったですねえ。あ、言い忘れてましたが、この映画、あのドナルド・キーホーがアドヴァイザーとしてクレジットされています。
モノクロ・スクイ−ズシネスコ。モノラル音声。極上のレストアで、大変高画質、高音質。ここまでやられたら文句のつけようがありません。コロムビア・トライスター・ホームビデオ。英語字幕つき。ＲＣＥ（リージョンコードエンハンスメント）入り。