The Man From Planet X (1951)　惑星Ｘから来た男

　警告、警告、このＤＶＤのリージョンは1です。したがって日本国内のＤＶＤプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

　地球に急速に接近している惑星Ｘの観測のため、アメリカ人記者のローレンスがイギリスの孤島へ派遣されます。そこでは彼の知り合いのエリオット教授が娘のエニとともに惑星Ｘの観測を続けていたのでありました。旧交を暖め合う教授とローレンス。エニともどことなくいい雰囲気で腕なんかくんじゃって仕事をしろよ、お前は。ま、再会してすぐセックスとならないのは評価できますけれども。教授の家に滞在してい
たもと教え子のミアーズ博士が胡散臭いのが気に掛かかりますが何、そんなことは映画の後半になってから考えればよろしい。

　ローレンスを村の宿まで送っていったエニ、車がパンクしてしまったので、とぼとぼ歩いて帰ります。途中、何やら怪しい物体を見つけておそるおそる見に行くエニ。宇宙船らしき物体の窓をのぞき込んだら、いきなり宇宙人がぬうっ。エニ、悲鳴を上げて逃げ出した。私もびびっちゃってもう泣きそうになっています。うえーん、ちょっとおしっこもらしちゃったよう。

　実は私はこの手の映画が好きな割にはひどくコワガリなのです。あの『ガメラ2』でさえ、地下鉄にレギオンソルジャーが出現するシーンが怖くてまともに見られないくらいのコワガリなのです。

　翌朝、エニの話を聞いた教授とローレンスは半信半疑で現場へと出かけて行きます。またも現われる宇宙人、こいつは一見幸薄そうな顔をしているけれども、妙なデフォルメが施されていて、やっぱりとてつもなくコワイ。ひいいい。だが、宇宙人、呼吸用大気タンク（何を呼吸しているのか知らんが）のバルブを開け忘れたのか、にわかに苦しみだし窒息して倒れてしまうという。呆れたローレンスがバルブをキュッ、キュッと開けてやると宇宙人復活（笑）。なついたのか教授達について家までやってくる宇宙人。お前は迷い犬か！

　この宇宙人言葉を発することなく、ぶーん、ぶーんと唸るだけ。このぶーんが彼らのコミュニケーションらしいのですな。ミアーズ博士むやみに張りきって意思の疎通を図ろうとしますが、まるで進展しないのにいらだって「秘密をおしえんかい、てめ、」と襲いかかります。宇宙人、ぶーん、ぶーん。エニをさらって逃げてしまう。その後も宇宙人ぶーん、ぶーん、エリオット教授、ミアーズ博士、村人をどんどんさらって洗脳し自分の奴隷にしたててしまうのでありました。こいつ、幸薄そうな顔をしていますが、実は惑星Ｘの地球侵略部隊の尖兵だったのです。この映画、実は侵略モノだったのです。だったら、バルブくらい、開けておけ！ぶーん、ぶーん。

　ローレンスは軍隊の攻撃が始まる前になんとか彼らを救出しなければなりません。彼は事件の経過を書きとめると、勇敢にも単身、宇宙船へ忍び込んで行くのですが・・・。

　画質はまあまあですが、とにかく全編暗い映画。私のプロジェクターの性能的限界も関係しているのかもしれませんが、夜間のシーンでは何やっているのかさっぱり分かりません、ぶーん、ぶーん。かえって予告編の方が分かりやすいぞ。ＤＶＤのジャケットには音によるコミュニケーションというアイデアは『未知との遭遇』に先んじること30年なんてかいてあって笑わせられます。ウソつけ、どっちかというと「できるかな」のゴン太君だろ、ぶーん、ぶーん。

　この映画は予算を節約するためにイングリッド・バーグマンの『Joan of Arc』のセットを流用して撮影されたそうで宇宙人の顔と同じく幸薄そうですな。

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