Menace from Outer Space 宇宙レンジャー・ロッキー・ジョーンズ 外宇宙からの脅威 1953
『宇宙レンジャー ロッキー・ジョーンズ 外宇宙からの脅威』（『Menace
from Outer Space 』1953年）、これはあくまでも私が勝手につけた邦題なので正式なものではありません。だから誤解しないようにって、誤解しようがしまいが関係ないかもしれませんな、こんなマイナーなテレビシリーズ（笑）。
冒頭の舞台はニュートン教授（モーリス・カス）の天文台。あれ、これ『Beyond
the Moon』でオフィシアスにあった天文台と同じじゃんというツッコミはなしね（笑）。ニュートン教授、夜空を切り裂いて地球に接近してくる光る物体を観測しております。そこにあのオープンカー（笑）で駆けつけてきたのが、ヴェナ・レイ（サリー・マンスフィールド）とボビー（ロバート・ライデン）、ボビー、嬉しそうに「教授、新発見の隕石ですね。今度隕石を発見したら僕の名前をつけてくれるんでしょ、ボビー隕石、カッコいいなあ」ボビー、それは彗星だと思います。「これ、ボビーや」ニュートン教授は不安げな面持ち。「そんな暢気なことを言ってはいけません。この隕石は地球に激突するかもしれないのだよ」
この隕石は世界連邦本部でも観測されていてドレイク長官も不安そう。彼は天文台に連絡してきて、「教授、大丈夫ですか、これは隕石は天文台の近辺に落下する見込みですぞ」どんどん接近する隕石、もう一度それを観測した教授は驚いて叫びます。「こ、これは隕石ではない。ロケット兵器だ！」ロケット兵器、所謂ミサイルは、ぎゅーんと落下してきてちゅどちゅどちゅどどーん。ぐらぐら揺れる天文台。教授、ヴェナ・ボビー、たまらず床に倒れふすのでした。彼らの様子をヴィジフォン（テレビ電話兼カメラみたいなもの）で見た長官はびっくり。彼らが白い粉まみれになっていたからです。「まるでドリフタ−ズのコントのようだ」と呟く長官。なんとか無事であった教授達は空港に落ちたミサイルを調べに向かいます。
宇宙を進むロッキー・ジョーンズの宇宙船ＸＰ-2、ロッキー・ジョーンズ（リチャード・クレーン）とウィンキー（スコッティ・ベケット）は宿敵グリフ（レオナード・ペン）の死が信じられず、宇宙を捜索していたのであります。そこへ入る緊急連絡、「ロッキー・ジョーンズ、パトロールを中止してすぐに帰還せよ」ロッキー・ジョーンズ、フルパワーで地球へ戻ります。
そしてニュートン教授の口から語られる驚くべき事実。「皆さん、このミサイルは特殊な合金でできております。このミサイルを作った人々は間違いなく我々より進歩した種族ですな！」次にヴェナ・レイがミサイルのコースを分析して、「ミサイルが発射されたのは木星の月、ファーネクスに違いありません」「ファーネクスだって！あそこは高温の星で生命は存在しないと言われていたのではありませんか」驚くロッキー・ジョーンズにニュートン教授が名台詞「科学者というのはね、何事も証明されるまで信じないものなのだよ」二発目のミサイルの飛来もあって、はい、ファーネクス探検が決定。メンバーはいつもの通りのロッキー・ジョーンズ、ウィンキー、ニュートン教授、ヴェナ・レイ、ボビーの面々。ファーネクスは遠いので搭載ミサイルの数を減らして燃料をたっぷり積み込みます。そして勇躍発進する宇宙船ＸＰ-2。ところが、グリフ、そう彼は生きていたのですねえ。地球連邦のほかの基地に忍び込んで隊員を脅しロッキー・ジョーンズのファーネクス行を知ってしまうのです。「よーし、待ち伏せしてやる」張り切るグリフであります。
しかし、この人『Beyond the Moon』でロッキー・ジョーンズに乗っている車を爆破されたのにどうやって生き延びたんだろう。
宇宙を進むＸＰ-2、オフィシアス宇宙船のグリフは「ぐっふっふ」と笑ってその後をつけ始めます。しかしＸＰ-2のレーダーがそれを見逃す筈がありません。「後方より未確認宇宙船接近！」ヴェナ・レイが叫びます。ウィンキーは「間違いない、あれはグリフですね」ロッキー・ジョーンズ、見事な操船でオフィシアス宇宙船の後方に回り込んでミサイル発射。どかーん、ちゅどどどーん、オフィシアス宇宙船たまらず退散します。いつもながら弱いことで（笑）。
しかし、この戦闘によりＸＰ-2も燃料を浪費してしまい、このままではファーネクスに到着するのがやっとという状態になってしまいました。みんなを集めたロッキー・ジョーンズは「道は三つある。一つ、地球へ帰還して燃料を補給する。二つ、宇宙ステーションに寄港して燃料を補給する。三つ、このままファーネクスに向かう。当然、三つ目が一番早いが、ファーネクスで燃料を補給できなければ地球へ帰還できなくなってしまう」みんなの返事は決まってます。「ロッキー・ジョーンズ、直接ファーネクスに行きましょう。ぐずぐずしていたら第3、第4のミサイルが撃ちこまれてしまいます！」ううん、大丈夫かあ、私は燃料補給したほうがいいと思うけどなあ。
はい、あっという間にファーネクス到着。ロッキー・ジョーンズとウィンキーは着陸態勢に入ります。ファーネクスの重力は地球の二倍。うまく着陸することはできたのですが、燃料はからになってしまいました。「さあ、ここからが正念場だ。ここに文明がなければ我々は島流しだぞ」とロッキー・ジョーンズ。さっそくにメカカナリアなる観測装置が宇宙船からにゅっと突き出て大気を調べます。「よし、呼吸可能です」と叫ぶウィンキー。遠くにピラミッド様の怪しい建物も見えて探検開始だ！おっとその前に体重計に乗ったヴェナが「あたし、体重が二倍の236ポンドになっちゃった」と嘆く軽いギャグあり。ほかの作品にも「無重力って体重がなくなるんですの」と太ったおばさんが喜んだりしていたし、これはこの時代のアメリカＳＦ定番のギャグですかな。
ＸＰ-2から降り立ったロッキー・ジョーンズの一行。ボビーがうっかり大声を上げるといつ果てるともなくこだまが続いたりしてなかなかいい雰囲気であります。最もこの設定、ストーリーに何の関係もありませんが（笑）。ウィンキーは「まるでフロリダのパームビーチだね」と喜んだりしております。そして、一行はえっちらおっちら歩いてあのピラミッドみたいな建物へ。そうするとがーっと扉が開いて現れたのが昔のエジプト人みたいなカッコのファーネクス人。しかも英語を喋りよる。「おお、地球から来られた方、私はファーネクスの王、ゾルバック（ウォルター・コイ）です。ファーネクスへようこそ、歓迎しますぞ」ロッキー・ジョーンズたちは唖然。「あ、あなた方は英語を喋るのですか」「はっはっは、この星に来た地球人はあなた方が最初ではないのです」
一応、ゾルバックによるとあのミサイルは地球とコミュニケーションを取る手段だったというのですが・・・（笑）。
その最初の地球人というのが8年前にこの星に不時着したというカルドス教授。実はこの教授、地球で人殺しをして逃亡、行方不明になっていたという怪しい人物なのでありました。ゾルバックの勧めに応じてピラミッドへ招待されるニュートン教授、ヴェナ、ボビー、うろんなものを感じたロッキー・ジョーンズはウィンキーとともに船のメンテナンスという名目で残ります。そして、彼は宇宙船ＸＰ-2のヴィジフォンを使ってピラミッドの内部を監視するのです（笑）。ニュートン教授たちとにこやかに歓談していたゾルバックとカルドス教授、部屋を出るなり、「教授、彼らはあなたがいうように悪い人間とは思えません。それどころか友達になれそうですが」教授は冷ややかに「それが奴らの手なのです。油断させておいて、この星を征服して植民地にしようとしているのです。今のうちにやっつけておかないと大変なことになりますぞ」ロッキー・ジョーンズとウィンキーは真っ青。「畜生、やられた」二人はピラミッドに忍び込むのですが、あえなく捕まってしまいました。
しかし、ゾルバック、ボビーの真摯な説得に心動かされ、カルドス教授の反対にも関わらず、「よっしゃ、わしが地球へ行って本当かどうか確かめてきてやる」と言い出します。そしてＸＰ-2にファーネクスのクリスタルを燃料として使えるよう改造を施すのでした。実はこのクリスタルが大変な優れもの。燃料として物凄いパワーを生み出すのです。「このパワーがなければファーネクスの重力を振り切ることはできないでしょうな」自慢するゾルバック（笑）。改造がすんで次に試験飛行。万が一のことがあってはいけないとロッキー・ジョーンズが一人ででかけます。ロケット噴射、さすがにクリスタルの威力は素晴らしくぐんぐん加速するＸＰ-2、しかしロッキー・ジョーンズ、あまりの加速度に失神。連絡がとれなくなってニュートン教授たちを慌てさせます。そのまま消息を絶ってしまい、彼の生存も絶望しされはじめたころ、ああ、ＸＰ-2が戻ってきた。ロッキー・ジョーンズは無事だったのです。実はあの加速で無線も壊れてしまい、今まで連絡が取れなかったというオチ。どうもあぶなっかしいことですな。
修理を終えたＸＰ-2で、ロッキー・ジョーンズ、ウィンキー、そして、ゾルバックは地球目指して飛び立つのでありました。ニュートン教授、ヴェナ、ボビーは彼らが戻ってくる間、人質としてファーネクスに止まることになります。
さて、ロッキー・ジョーンズとの戦いで宇宙船を壊されてしまったグリフ。修理のために惑星オフィシアスに着陸。女王クレオランタ（パッツィ−・パーソンズ）にファーネクスとその素晴らしいエネルギーについて報告します。クレオランタ、こりもせず、「ほう、そのエネルギーさえあればわらわの宇宙征服がなったも同然じゃ。よし、ダルガント（フランク・ポラスキ）、グリフと二人でそのエネルギーを奪ってくるのじゃ」さっそく宇宙船で飛び立つダルガント・グリフの凸凹二人組（笑）。今回のクレオランタの出番はここだけです。
この間、ロッキー・ジョーンズたちは地球に到着。ゾルバックはドレイク長官を始めとする地球連邦の接待を受けてもうご機嫌。「さあさあ、まずは一献、この地球の旨酒をぐいといかれよ」「おおと、これはすみませぬな、くいくくい、うふー、なるほど、これはいい酒だ。いい酒は舌で味わうんじゃない、喉越しだなんていいますが、ほんとうですな」「こりゃ素晴らしい飲みっぷりで、ほほ、あなたそうとういけるクチで」「そりゃあ、もういけるなんてもんじゃない、浴びるほうで」「わっはっは」その時座敷の襖がからりと開いて、入ってきたのが芸者衆、「ようきた、ようきた、銀河奴に宇宙奴、この遠来はるばる来られたお客様に、ほれ、なにをしている一杯さしあげないか」すっかり酔っ払ったゾルバック、銀河奴を相手に野球拳をはじめちゃったりして。こうぱっと広げた両手をひらひらと震わせて「野球するなら、こういう具合にしやしゃんせ、アウト、セーフ、よよいのよい、わあー、負けた」「ゾルバックの旦那はん、負けは負けどすえ、一枚脱いでくれなはれ」「うーん、よし、ほら、ブーツを脱ぐぞ、ひっく、これでも一枚は一枚だ」「やーん、ゾルバックの旦那はんのイケズ」母星に残っているゾルバックの妻（ジョアンナ・ジョーダン）に知れたらどうなることか（笑）。この接待にいたく感動したゾルバック、「地球の人々の真心は良く分かりました。カルドス教授は偽りを申していたのですね」
そのカルドス教授、こっそりとミサイル発射の準備を始めております。それを見つけたのがゾルバックの娘、ヴォラカ（パッツィー・アイオニー）とボビー。二人はこのことを女王つまりゾルバックの妻、ヴォラカにとってはお母さん、ああ、ややこしいにご注進。カルドス、牢屋に入れられることになりますが、その時うまいタイミングで飛来したのがダルガントとグリフが乗ったオフィシアス宇宙船。ニュートン教授、ヴェナがピラミッドの外に出て、「あれはロッキー・ジョーンズの宇宙船とは違うわ」なんて暢気なことを言っております。この暢気さが禍してあっという間に制圧されてしまうのでした。カルドス教授はダルガントとグリフに協力を約束。「あのー、わしもオフィシアスに連れていってくださらんか」という情けなさ。
ダルガントとグリフは例のクリスタルをどんどん宇宙船に積み込ませます。「これで宇宙の支配はなれり」と笑うダルガント。同時にカルドス教授が準備していたミサイルを地球に向けて発射してしまいます。ああ、危うし地球。しかし、そうは問屋が卸しません（どうもワンパターンですみませんな）。我らがロッキー・ジョーンズありです。ミサイル接近を知らされたロッキー・ジョーンズはファーネクスで何か起ったと直感、ウィンキーとゾルバックとともに宇宙船に乗り込み、発進。強力なクリスタル弾頭をつけたミサイルを宇宙空間で迎え撃とうというのです。これが見事成功。ミサイルは砕け散るのでありました。ロッキー・ジョーンズ、ファーネクスへ急行します。
ダルガントとグリフはロッキー・ジョーンズの宇宙船ＸＰ-2を待ち伏せしようとしますが、ボビーとヴォラカの決死の働きによってその計画がぱあ。全部通信機でロッキー・ジョーンズに知らされてしまったのです。オフィシアス宇宙船に向けて強襲をかけるロッキー・ジョーンズ。タルガントはグリフとカルドスに迎撃を命じるのですが、「そんなクリスタルが一杯積んである船で撃ち合いなんかできるか、あぶないっての」皆逃げ出してしまいました。そこにＸＰ-2の放ったミサイルが命中、オフィシアス宇宙船は粉々に吹き飛んだのです。
ようやく事件は解決しました。ロッキー・ジョーンズ一行はタルガント、グリフ、カルドス教授を捕虜にして地球に向かって飛び立ったのでありました。エンドマーク。
面白い、お勧め、もしあなたが「宇宙レンジャー・ロッキー・ジョーンズ』シリーズを見ようとするならば、この作品を最初に見るべきでしょう。予備知識がまるでなくても楽しめる分かり易さはシリーズ一番かも。
モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質・音質はシリーズ他の作品と同じく最低レベル。若干、音質が聞き取りやすくなっているかも知れませんがあくまでも他の作品と比べてのこと。あまり期待されても困ります。
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