Monster a Go-Go (1965)
Starring:Phil Morton, June Travis, George Perry, Henry Hite
Director:
Bill Rebane  Herschell Gordon Lewis (Sheldon Seymour)
DVD Release Date: 7/9/2002









 えー、今日はですな、1965年のあの本当に本当にしょうもないハーシェル・ゴードン・ルイスがビル・レバーンてぇ人の資金不足で頓挫した『Terror at Halfday』というフィルムを買い取って適当に不足部分を撮り足して一本の映画にしちゃった、ああ、ひどい話ですが、『モンスター・ア・ゴー・ゴー』でご機嫌を伺おうてんで。ちなみに、このビル・レバーンというお人、後に『ジャイアント・スパイダー・大襲来』(76年)を監督したってんですから、まさにクズがクズを呼ぶという・・・。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。


 冒頭、ヘリコプターと車が連絡を取り合いながら、近くに落下した筈の宇宙カプセルと宇宙飛行士フランクを捜索しています。ヘリコプターのパイロット、カプセルを発見して、着陸しますが、その直後、無線から、う、うわー、のえーという悲鳴が!車に乗っていたスティーブ・コナー大佐は現場に急行します。なんのためもなくあっという間にカプセルを発見するスティーブ(笑)。しかし、同時に彼は顔を何かで焼かれたようになって死んでいるパイロットをも発見したのです。何が起ったのだ、顔をゆがめるスティーブ。

 続いて場面は宇宙飛行士フランクの自宅へ。そこを尋ねるカール博士と女性アシスタントのローラ。フランクの奥さん、スーザンは、あっ、フランクに何か悪いことが起ったのねと叫んで、半狂乱。カール博士とローラはフランクが行方不明で何故かパイロットが死んでいたということを言い出せなくなってしまいます。さらに涙を誘うのが、フランクの息子、ジム。「お父さんが帰ってきたら魚釣りに連れていってもらうんだ」どうでもいいけど、おめえよお、ちゃんとカメラの方向いて喋れよう。

 輸送機で到着する科学者、クリスメニング、の場面を挟んで、映画は何故か激しくゴーゴーを踊りまくる若者達に切り替わります。気持ちよさそうに踊っていたガールフレンドを強引に外へ連れ出す男。相手の男は憤然としますが、すぐに忘れてまたゴーゴーゴー。ばっかじゃねえの。そして、車の中でペッティングにふける、ガールフレンドと男。

 偉そうに語りだすナレーション(これ、ルイス親父本人)「人生や運命についてもしも・・・と考えることがある。もしもこの時、彼女と男がファックしていたら・・・」こらえきれなくなった男、小鼻鳴らして「な、ええやろ、させんかい!」女、いやになって車を飛び出しますが、そこに現れたのが、どうしたわけか身長が10フィートになった宇宙飛行士のフランク、「きぃやああああ」悲鳴が響いて、場面が切り替わったと思ったら、もう男が死んで地面に横たわっているという・・・。駆けつけたスティーブ・メニングたちがあたりを捜索すると、失神して倒れている女を見つけたのでした。なんや、あんた、死んでなかったん。男の死因はパイロットと同じく酷い火傷。これはフランクの帯びている放射能のせいに違いないと考えたもう一人の科学者ローガンは一夜明けて、ガイガーカウンター片手に、カプセルの発見された場所を再調査、きどーん、きどーん、ショッカーの秘密基地みたいな音がしたかと思うと、顔があばたのようになったフランク登場。ギャ−、科学者、殺された。

 ギャ−、私も見るのがいやになった!

 ここから殺された科学者の弟がフランクを匿い、兄の発明による解毒薬を注射して、元の人間に戻そうとした事情が台詞とナレーションで語られます。
この間、いっさい、フランクは登場しません。解毒薬は当初、所定どおりの効果を発揮しますが、何回も注射しているうちに、その持続時間が次第に短くなってしまいます。そして、ついに、フランクは決まった時間に注射されなかったせいで、実験室をめちゃくちゃにして逃走。もちろん、この間フランクの姿は一切登場しません。

 スティーブに、事情を説明するローガンの弟。ようやくこれで、私も納得が行きました。だって、映画を漫然と見ているだけでは何が起っているのか、さっぱり分からないんですもの。ローガンの弟は警告します。フランクは非常に凶暴なばかりか、強烈な放射能まで発散しています。彼の50マイル以内は汚染されてしまうのです。大変じゃん(笑)。フランクを退治するために動員される警察・軍隊・消防署。フランクは彼の自宅へ向かおうとしますが、見張っていた警察官に阻止されてしまいます。ばきゅーん、ばきゅーん、拳銃を乱射する警官隊。でも、この場面にもフランクは登場しないんだ、想像するしかないんだ、僕達は。

 フランクは警察・軍隊に追われながら、別荘地で三人並んで寝そべり、カメラの方へ尻を向けていた(ここがポイント)ビキニ女性達を襲います。きゃーきゃーと逃げ惑う姉ちゃん達。うーん。そして、唐突に挿入される意味の分からないシーン、車の故障で立ち往生していたローガン弟の女性アシスタントをトラッカーが助けるのですが、なぜか女性アシスタント、そのトラッカーにぶちゅぶちゅぶちゅちゅー、なんなんだ、これは、礼のつもりか。さらに、このシーンの最中、またきどーん、きどーんと音をさせてフランクが現れますが、何もせずに立ち去ってしまうのです。????、もひとつおまけに?

 このへんが、ルイス親父が適当に撮り足したところなんでしょう。フランクを演じたヘンリー・ハイトが死んじゃってたんで、こんな風に撮影するしかなかったと見えます。

 あろうことか、シカゴ市街に迷い込むフランク、ローガン弟は、「よし、いいことを思いついた。ガイガーカウンターを配置して、それをオシロスコープに繋ぐんだ、そうすればフランクの位置がわかる!」そうしてすったもんだの末に、フランクが下水溝に逃げ込んだことが判明。とりあえず、農薬散布用のスプレーで放射能除去薬をぷしゅーぷしゅーと下水溝の入口にふりまいて、その後から、スティーブとあと誰か(本当に誰だか分からないんだよ)が防護服を着て、下水溝に突入します。きどーんきどーんと逃げるフランク、追うスティーブと誰か。きどーん、きどーん、逃げるフランク、追う軍人と誰か、あ、あれ、唐突にフランクいなくなっちゃったよ、説明するシーンもなにもなしで、なんじゃ、これは。

 首を捻りながら下水溝から出てきたスティーブにローガン弟が電報を手渡します。どれどれと読んでみると「ホンモノのフランクが200マイルはなれたところで、発見された。彼は無事で、体のサイズも正常だ」え、え、え、スティーブ、きょとんとしますが、見ているこっちだって、きょとんだよ。意味わかんねえよ、なんだったんだよ、あの馬鹿でかいモンスターはよ。この手の映画、今まで山ほど見てきたけど、こんなに腹がたったの始めてだぞ、ち、畜生。

 しょうもないクズ映画にさらにしょうもない場面をつけたしたので、ストーリーさえ訳の分からないものになった史上最低のウンコ映画。アマゾンコムもこんなもの売ってんな!

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。映画が最低なら画質・音質もダメダメ。特に酷いのが音声でもこもここもって聞き取れやしねえ。しょうがないのでヴォリューム上げたら、耳が痛くなっちまったい。なんというか本当に腹ただしいDVDであります。サムシングウィアードビデオのDVD。トールケース。『Psyched by the 4-D Witch』とのダブルフィーチャー。

Release Information:
Studio: Image Entertainment
Theatrical Release Date: 1965
DVD Release Date: July 9, 2002
Run Time: 149 minutes
Production Company: image
Package Type: Keep Case
Discographic Information:
DVD Encoding: リージョン1
Available Audio Tracks: English (Dolby Digital 2.0 Mono)
Edition Details:
Black & White, Color
Crackpot Horror Trailers for "Monster-a-Go-Go," "Blood Bath," "Bourbon Street Shadows," "Creature of the Walking Dead," "Eyes of Hell," "Frankenstein Meets the Space Monster," "Insect-o-thon Midnight Show," "Psycossissimo," "Something Weird," "Tales of the Bizarre" and the combo "Witchcraft" and "The Horror of It All!"
Homemade Horror Short: "Bedtime Booga Booga"
Trippy Short: "Psyched by the 2D Dot"
An evil psychiatrist, a lesbian maid, and a room full of monsters scare a Manhattan socialite in the 36-minute featurette "Driving Miss Daisy Crazy"Gallery of Horrorama Drive-In Exploitation Art with Radio Spot Rarities!

SFシネクラシックスへ戻る