Psyched by the 4-D Witch （1972）

　今回ご紹介しますのは1972年作、魔女に脅かされる女性の恐怖を、当時の最先端風俗であるサイケデリック映像を使って表現したという『Psyched by the 4-D Witch』であります。あー、もうしょうがないので言っちまいますけど、これはひどい、カップリングの『モンスター・ゴー・ゴー』もどうしようもなかったけど、それが、ハリウッドの大作に見えるくらいといえば、その酷さのいくばくかをご想像いただけるのではないかと思います。私、こんな映画の態すらなしていない、クズフィルムに81分もつきあったんですから。

　警告、警告、このＤＶＤのリージョンは1です。したがって日本国内のＤＶＤプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

　まあ、シンディ（マーゴとしかクレジットされていない、誰だ？）ちゃんという下半身の好奇心さかんな大学生がおりましてな、やっかいなことに、魔法にも興味がありまして、オカルトの本をたくさん買いこんで、今日も今日とて、おっぱい放り出して怪しげな儀式に励んでおります。そして、シンディちゃんの耳に聞こえてきた謎の声、「シンディ、私は、セイラムの魔女、アビゲイルじゃ、お前はセックスとかオナニーで“イッた”ことがないであろう」がたん、早くもソファーから転げ落ちる私。「私の力で、お前にめくるめくセックスの冒険をさせてあげよう、アストラル・オルガスムを体験させてやろう。しかし心配することはない、どんなセックスの冒険をしてもお前はバージンのままなのだ」アストラルオルガスムってどんなオルガスムなんだ、アビゲイル！一も二もなくアビゲイルの提案を受け入れるシンディちゃん、さっそくオナニーですわ。アストラル・オルガスムのあまりのキモチ良さに、すっかりとりこになってしまった。これが、性の冒険パート1ですな。

　そんなシンディちゃんの性の冒険パート2の相手は新しく引っ越してきた隣家の男性ミスター・ジョーンズ（ケリー・ガスリー）であります。シンディちゃん、彼の目の前でミニスカートをたくし上げて挑発しますが、ジョーンズ氏、「だめよ、他の男をさがしなさい、だって、僕、ホモだから」がらがらがちゃーん、またソファーから転げ落ちる私。がっかりするシンディちゃんでしたが、ここで、アビゲイルがアストラルパワーをびびびびび・・・。ジョーンズ氏、たちまちシンディにむしゃぶりついて、シコシコ、ズボ！まっことアビゲイルのアストラルパワーは素晴らしい。

　この映画、信じられないかもしれませんが、台詞がありません。キャラクターそれぞれがテキトーなナレーションを入れているだけ。またＢＧＭも場面に関係なくムソルグスキー、ワーグナーなどのクラシックをだらだら流しているという物凄さ。こんなことして、叱られないかと呆れていたら、でげでげでげげでげでげでげげと主題歌の『Beware of the 4D Witch, beware!』が何回となく挿入され、さらに気分を盛り下げます。

　シンディちゃん、遊びに訪れた公園でジョギングしていたジョーンズ氏に偶然再会。シンディ、がんがん走って、ジョーンズ氏に追いつくと、またまたシコシコ、ズボ！だから、白昼の公園でやるなっての。気がつくと公園で倒れていたシンディちゃん、一応、アビゲイルが彼女に見せた幻影ということですかな、正直良く分からないんですけど。

　次にシンディちゃんの相手となったのは巨大な乳房と乳輪をもつ、気色の悪い女。いきなりレズプレイだ、ホモとか、レズとか、ややこしいことしないで、もっとマトモな相手とやれんのか、シンディちゃん。こんなソソラれないベッドシーンは生まれて初めてだぜ。

　この辺りからアビゲイルの言うことがどんどんおかしくなっていきます。「お前が次にセックスするのは蛇じゃ」がたん、ソファーから転げ落ちるのはもう三度目、もはや傷だらけ。アビゲイルの魔力によって突然現れたレズ女と蛇のセックスをたっぷり見せ付けられたシンディちゃんは目を潤ませながら、嫌がっていたのも忘れて、やっぱり蛇とやるのです。Ahhhh,Oh,Oh。

　蛇とのセックスを楽しんだシンディちゃんでしたが、次のアビゲイルの要求にはびっくり仰天、「交通事故で死んだ、親友のジャンの死体とやれ？、あんた、バッカじゃないの、そんなマニアックなプレイ、できるわけないじゃん」ついに切れるシンディちゃん（笑）。そんな彼女ににアビゲイルは「ふぇふぇふぇっ、血のめぐりの悪い女じゃのう、蛇の道は血の道、これはわらわの復讐なのじゃ、そなた、前世でわらわの恋人を奪ったろう！」ああ、なんという恐ろしいことでしょうか、シンディちゃんはこの魔女に騙されていたのです。

　ここで、話は唐突にシンディの兄、マーク（トム・イーリアン）に切り替わるのです。真面目な研究者としての生活を送っていたマークの前に現れたアビゲイル、うわ、これまたどうしたことじゃろうかい、と動揺したマークは、気を落ち着かせるために、何故かチャイナタウンへ行って、中華料理を食べやがります。あー満腹満腹と腹をさすりながら、自宅へもどってきたマーク。しかし、彼の前にまたアビゲイルが現れたのです！そして、マークはアビゲイルのアストラルパワーによって、口からちんけな牙の生えた、キング・オブ・セックス・ヴァンパイアへと変身させられてしまいました！セックスは余計だろう、どう考えても。

　チャイナタウンのシーン、ムソルグスキーやワーグナーのクラシックに代わって何か日本の歌が流れます。ちょっと私にはなんという曲なのか分かりかねたのですが、やい、監督のヴィクター・ルミネラ、こんなレコード、どこから引っ張ってきたのん？

　さて、マークは獲物をあさりに外出します。とたんに、中年男の運転する車に引っ掛けられるという・・・（笑）。怒って、車から降りてきた中年男を追いかけるマーク。さっきの事故で怪我をしたのか、ひょこたん、ひょこたん、足を引きずっているのがなんともやりきれません。なんなんだよ、お前は。一生懸命中年男を追いかけるマークでしたが、偶然、美女が通りかかったので、浮かれ出し、男を放っておいて、美女に襲い掛かります。牙生えているんだから、喉笛に喰らいつくかと思っていたら、いきなり美女の服ひきむしって、やりはじめるんですねえ。牙の意味ないじゃん、それに、路上でやるなっての、路上で。一方、さっきの中年男は車へ戻って拳銃を取ってきます。シコシコ、ズボ！に夢中になっているマークに拳銃をズドン。あわれ、マークは射殺されてしまうのでありました。

　長い悪夢から覚めたシンディちゃん、あら、マークが死んだのは、アレは夢だったのかしら。私にもわからないし、そんなことどうでもいいんですよ。早く、この糞みたいな映画が終わらないかと願っているばかりなので。アビゲイルの正体を知ったシンディちゃんはジャンの父親で高名なるセラピスト（キース・エリクソン）に助けを求めるのでした。シンディちゃんから話をきいたセラピストパパは、「シンディ、それはセックスに対する欲求不満が引き金となった幻覚だ、セックスの不満を解消すれば、そんなものには悩まされなくなるよ、だから、そう、レッツ・ファック・ナウ！」セラピストパパとシンディちゃんは慌しく服を脱いで、シコシコ、ズボに励むのでありました。

　有り難いことにここで映画は終わり。「アビゲイルは貴方の前に現れるかもしれません」ってな感じの面倒くさそうなナレーションが流れて、エンドマーク。

　お話的にも映像的にもど最低のうんちまみれ映画。売り物のサイケデリック映像とやらも、赤い○印がゆらゆらゆれたり、花火が燃えたり、風景を逆さまにしたりと小細工ばかり。目ェちかちかしてきます。というか、これが本当に商業映画として、劇場に掛けられたというのが信じられない。オタクの同人フィルムの方が、一億倍もましだと思います。

　カラー・スタンダード、モノラル音声。画質は下の下の下の下の下、暗いシーンで何が起こっているかさっぱり分かりません。どういう撮影したのかしりませんが、画面に何箇所かの“へこみ”があって、カメラの動きに合わせて移動します。シンディちゃんの場面にアビゲイルがオーヴァーラップされたりするのですが、物凄く薄くて、出来の悪い心霊写真みたいです。サムシング・ウィアードビデオのＤＶＤ。

Release Information:
Studio: Image Entertainment
Theatrical Release Date: 1972
DVD Release Date: July 9, 2002
Run Time: 81 minutes
Production Company: image
Package Type: Keep Case
Aspect Ratio(s):
Full Screen (Standard) - 1.33:1
Discographic Information:
DVD Encoding: Region 1
Available Audio Tracks: English (Dolby Digital 2.0 Mono)
Edition Details:
Region 1 encoding (US and Canada only)
Black & White, Color
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