Brain From Planet Arous(1958年）　惑星アラウスから来た脳みそ

DVD発売日:2/27/2001




　本日のお題は1958年、ネイサン・ジュラン監督作品の『惑星アラウスから来た脳味噌』、後の『ウルトラマン』、『ヒドゥン』の元ネタになったのではないかと言われている名作ですってウソ、ウソ。

　ある夜、カリフォルニアの郊外、ミステリーマウンテンに不思議な光が墜落、大爆発。ちょうどそのころ、核物理学者のスティーブとダンは異常な放射線もれを観測、調査の為にミステリーマウンテンへと向かいます。その二人の前に姿をあらわしたのは、アッと驚く為五郎ゥ〜、ナニ、惑星アラウスから逃れて地球にやって来た悪の宇宙人、ゴルなのでありました。このゴル、まんまの脳味噌にとり・みき氏の名キャラ、田北鑑生氏みたいな目がついているという、実に簡単、いや、奇怪なる姿。こら、そこの君達、笑うんじゃない。そんなスガタカタチのくせにみょーに態度のでかいゴルは目から放った放射線でダンを焼殺、スティーブにのり移ります。

　なんとなく宇宙猿人ゴリを思わせるストーリーですが、こいつ、いうことがでっかいんだ。核実験場に各国の大使を集めて、「俺に従わないと、お前らの国の首都を焼き払ってしまうぞ、なは、なは、なははは」と脅かし、さらに調子にのったのか「地球を支配したら、今度は宇宙船をつくって俺を追放した惑星アロウスに戻るのだ、そして、俺様は宇宙の支配者になるのだ、なは、なは、なはははは」お前は宇宙人の木下藤吉郎か！所詮、こーいう人はどこにいってもジミチに努力するなんてことができないんですねえ。

そのくせ、実はスケベで人間の女に興味があるらしくスティーブの婚約者に悪迫りして嫌われたりしているのがオカシイ。ゴル、君キャラ立ちすぎやで。

　暴虐の限りを尽くしたゴル、同じく惑星アラウスから飛来した正義の宇宙人、ボルのアドヴァイスによってスティーブにオノで滅多切りにされてしまうのでありました。この映画、あきらかにクレメントの「二十億の針」（1950年）が元ネタなのですが、目先を変えるためか、ボルがぜんぜん活躍しません。それどころか人間に寄生すればよいものを宿主との信頼関係がないと宿主に危険が及ぶ場合があるとのたまってスティーブの飼犬にとりつく始末。皆さん、こいつ、馬鹿ですよ、馬鹿。だいたい、同朋が地球であんなことやこんなことしているのに、アイツの弱点は脳味噌のてっぺんですとアドヴァイスするだけというのはいくらなんでも無責任すぎやしませんかってんだ。

　モノクロ、スタンダードサイズ。画質はまあまあですが、中盤、台詞にシャリシャリというノイズがかぶるのがなんともうっとおしい。イメージエンタティメントのＤＶＤなので例によって紙製ケース、海苔弁式フタ。

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