8月6日（日）
午前7時に素早く起床。昨日3時過ぎまで騒いでいたとはとても思えぬ爽やかな目覚めである。獅子児さん、ちゃか・ぽこさん、本宮さんらと純和風の朝食を取って過度の飲酒に疲れた胃を癒す。その後部屋へ戻って素早く身支度。オタキングの柳瀬さんとタクシーに同乗し、会場のパシフィコ横浜へ向かう。
この時、どうもだらしないことに弟へのお土産と共に生命線たるべき帰りの航空券を宿に忘れてきたことが判明。宿泊の世話をしてくれたのぶさんに会場まで持ってきてもらうことになった。のぶさん、どうも有難うございました。貴方がいなければ私は今も横浜のあたりをホームレスにとなってさまよっているでありましょう。この御恩は一生忘れません。まるで浦島太郎に助けられた亀である。
会場到着後、柳瀬さん、獅子児さん、ちゃか・ぽこさんと別れて本日1発目にして唯一の参加企画である鶴岡法斎氏のガラクタ解放戦線の部屋へ行く。唐沢さんの第一弟子である鶴岡さんがどういうものを見せてくれるのか興味しんしんだったのだが、のっけから変わりAVの「アナルなめなめ党」という脱力ビデオ。ナチスの軍服に身をつつんだ舐め舐め党員達がアナル舐めのキモチよさを世界に知らせしめんとするプロモーションビデオだ。内容を知らされずにのこのこと撮影場所に現れたAV女優がアタシ、アナルなんて舐められない、だってウンコが出てくるところだものと泣き叫ぶのを舐め舐め党党首がげしげしと殴ったり蹴ったりして調教している。言っておくがここはパシフィコ横浜、普段は学会やら国際会議が行われていそうな実に上品な会議場である、そこで午前中からアナル、アナルと連呼されるのを聞いていると自分が立入ってはいけないゾーンに踏み込んでしまっていることをひしひしと感じずにはいられない。
そんな俺の思いとは裏腹にビデオはどんどん進んで行く。あっ、ヒデエ、こいつらナチスの軍服来てベルリンで撮影してやがるぞ。あ、それ見たことか、お巡りさんに追っかけられてやがる。承知の通り、反ナチス法というものがあってこれは明確な法律違反なのだ。どうなるのかとかたずを飲んでいるうちになんとか逃げおおせた旨のナレーションが流れて大笑い。拍手、拍手である。
その他のネタも「仮面ライダーストロンガ−」の電波人間タックルのカッコをしたAV女優がへろへろのアクションを見せてくれるAVや通信販売番組のパロディで携帯用オナニーマシンを説明しているうちに引いてしまうAV女優やパンクロックバンド（なのか）のコンサートなのだがメインボーカルが演奏中に火のついた花火をシャツの中へ放り込み自らを焼きこがしてしまうセルフマゾヒスティックビデオとかもう最低なネタばっかし。極めつけはああ、もう俺、こんな下品なこと書けやしない、浣腸をされたAV女優がなんてそんな浣腸なんて俺のボキャブラリーには入っていないのだが、尻を捲り上げて東京のどこかの路上でぴゅーっと下痢便噴出させたとたんにおじいさんが自転車のベルをちりんちりん鳴らしながら傍らを通り過ぎるというこれは夢なのだ、ああ、夢に違いない。
狂乱のガラクタ解放戦線会場を後にしてしばらくしてのち「セーラームーン」の部屋へ赴く。別に好きではないのだが、もう1回志水一夫さんに御挨拶しようと思っていたのだ。ところが、ところがである。開始時間になっても志水先生、現れない、白衣を着たスタッフが「ああ、もう志水先生が来ない、どうしよう、どうしよう、あれほど言ったのに」とまるでキチガイ博士みたいな声でうろたえ回っている。お会いできないのは残念であったが、伝説の志水一夫さんの“生遅刻”が見られたのだ、これで良しとしようではないか。
その後、魔朱妲愛普羅さんと落ち合い、唐沢さんのサイン会へ。横浜名物シューマイ弁当を持って現れた唐沢さんをお迎えする。そこでいろいろと話をしているとどこかで見たような人物が・・・。そう昨日怪獣酒場に行けなくてお会いできなかった開田裕治さんであった。あわてて挨拶する。昨日の志水一夫さんと同じように名前を覚えてくださっていたのに感激。
それから早川書房のブースにて唐沢さんの「とてもヘンなマンガ」を買ってサイン会に参加。うまうまとサインして頂き、握手までしてもらって御満悦となった。そこでもチラシを撒き、AIQの宣伝に努める。時間はあっという間に過ぎて、調布の弟夫婦のところへ向かわねばならぬ時刻になってしまった。残念ながら生れて初めてのSF大会はこれにて終了。唐沢さん、魔朱妲愛普羅さん、獅子児さん、のぶさんに順次挨拶して振り返り振り返りしながら会場を後にしたのであった。
この後、弟夫婦の家に数時間滞在し生後6ヶ月の姪の可愛さに目を細めたりしたのだが、これはまあSF大会とは直接関係のない話、そんな事を物語っても面白くもあるまいし割愛させて頂くこととする。皆様、お疲れ様でございました。
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