さてこのコーナーでは皆さんの“灰色の話”を募集したいと思います。“灰色の話”とは何か、例えば漫画家の唐沢 なをき先生の場合は
○カップやきそばのお湯を切るとき誤って流しに麺を落してしまった。学生時代でありお金も食べるものもなかったので泣く泣く麺を拾い上げて洗って食べた。不味かった。
というものであります。なんとなくビンボー臭くてしかも共感を持てるというのが理想的ですな。逆に 私の行きつけのパブのＣ嬢のように
○ホストの彼氏に中だしされ怒り狂ったがまあこいつなら結婚してもいいかと思っていたのに肝心の彼氏が姿を消してしまった。
というのはいけません。これでは灰色ではなく黒色です。もう少し例を挙げてみましょう。
○ＮＨＫ受信料の支払いを拒否していたおじいさんがネバられてシビレを切らしたのか「もう、帰ってくれ、わしは忙しいんじゃ、相撲が始まっとるんじゃ」と言ってしまった。
○娘の誕生日に奮発して特上の寿司を頼んだ。パーティーが始まり、娘がケーキのロウソクを吹き消して電気をつけると飼い猫が寿司のネタだけを順番に食べていた。
○うちの父は酔っ払い運転だったのに道に迷って交番へ聞きにいった。
○少々ボケの入ったおじいさんが犬の散歩に出かけた。2時間後犬だけ戻ってきた。
○作家の椎名誠さんの話。ガソリンスタンドで従業員が深ぶかと礼をしてお客さんを送り出しているのをびっくりして見ていたおばあさんがいた。すると従業員の一人が礼をしたまま、「てめぇ、婆ァ、見せ物じゃないんだ」と怒鳴ったそうだ。
○作家の椎名誠さんがはじめてCMに出た時のこと。大根買いに八百屋へいったらそこの親父が彼の顔を見て「ああ、あんた知ってるよ、サインしてくれないかい」八百屋さんの店先だから適当なものがないので仕方なくそこらのダンボールをひっちゃぶいた奴にサインしたそうだ。それを見ていた近所の奥さん方からもわれもわれもとサインを求められやっぱり全部ダンボールのきれっぱしにサインしたとか。
○巨人の長嶋監督がある有名な寿司屋へ行ったとき、酒に酔ったのか職人さんに「ヘイ、シェフ、美味しいね、これ」とか「ヘイ，シェフ、お茶ちょうだい」と呼びかけた。職人さんはじっと我慢していたがとうとう物凄い形相で振りかえって「お客さん、シェフってのはアッシの事ですかい」
○デーブ大久保は長嶋監督から“ブーちゃん”と呼ばれている。彼はおお、あの長嶋監督がじきじきにあだ名をつけて下さったと感激したのだが後に松村邦洋も、果ては宮崎球場の太った警備員さんまでも“ブーちゃん”と呼ばれている事を知り、大層がっかりしたそうだ。
○小さなヨシエ師匠 早坂好恵は一度だけだが巨人のゴジラ松井とデートしたことがある。当時二人とも上京したばかりだったのでデートスポットなど知らず、ある回転寿司屋で待ち合わせた。
○郷ひろみが渋谷でゲリラライブをやったのに対抗して若人あきらは熱海でゲリラライブをやったそうだ。
○島崎和歌子の“和歌子”は酒井和歌子にちなんで名づけられたそうだ。
○落語家の春風亭昇太師匠は落語家になって最初のバレンタインデーに三味線引きのおばあさんから「昇太さん、今日はバレンタインデーだからホラ、食べなさい」と言われて“塩せんべい”をもらった。
○高木ブーの娘は学生時代なかなか彼氏ができなかった。「私の父は高木ブーなのよ」といっても信じてもらえず、それならばと家へつれて行くと本当に高木ブーが出てきたからである。
○ブルース･リーのレコードを中古屋で手に入れて家に帰って良く見ると、そこには「ブルース･スリー」の文字が。
○ブルース･リーのそっくりさんでブルース･李（リ）という人がいた。
○ラスベガスで活躍するマイケル･ジャクソンのそっくりさんは皆、白人である。
○ある夫婦が赤ん坊の夜泣きがあまりに酷かったので慌てて救急病院に連れて行った。幸い異常は無かったのだが診断したお医者さんが眠そうな顔でカルテに“不機嫌”と書いていたそうだ。
○ある女性がダンベルダイエットを試みたところ8キロ体重が落ちたそうだ。これはいいと更に重いダンベルに換えて頑張っていたらそのダンベルを足の甲に落としてしまい骨折して入院。その入院中に体重も脂肪率も元に戻ってしまった。
○ある周 富徳ファンの主婦が近所に“周さんの店”という中華料理屋が出来たので早速行ってみた。食事の後に周さんいらっしゃるんですかと呼んでもらいどきどきしながら待っていると似ても似つかぬ日本人がやってきて「岡本 周一です、周さんと呼んでください」店中の客がずっこけたそうだ。それでも気を取り直して「香港とかで修行されたんですか」と聞くと「いえ、脱サラです」また店中の客がずっこけた。
○不幸の手紙が速達で送ってきた。
○見合い写真に霊が写っていた。
○ある男が同棲していた彼女に別れ話を切り出した。酷い愁嘆場になりイヤになった男は「とっとと出ていけよ」と言い残しそのまま1週間の出張に出かけた。帰ってくると彼女はいなかったが何故か電話の受話器が外されている。不思議に思って耳にあてたら“フランス語の天気予報”が聞こえてきたそうだ。１週間フランスに電話が繋がりっぱなし・・・。
これです。この間抜けさ。微妙なオカシさと悲しさが絶妙にブレンドされたしみじみ話。それが“灰色の話”なのであります。それではヒトの事ばかり言っててもなんですので・・・。不肖この私めの灰色話をいくつか御披露いたしましょう。
○子供の頃（恐らく7〜8歳）ある遊園地のオバケ屋敷に入ったら超満員だった事がある。途中でアルバイトらしいオバケが隠し扉から出てきたがたちまち人の波と壁に挟まれぎゅういってもがいていた。
○私が子供の頃、福岡市動物園にパンダがきたことがある。そのパンダは子供心に地味だった七面鳥の檻に入れられていたので口さがない福岡市民は“七面鳥は動物園の職員が七面鳥鍋にして食ってしまったのだ”と噂した。
○何度目かの恐竜ブームの時に福岡市動物園に恐竜館のアトラクションが出来たことがある。ブームが過ぎた後メンテナンスもされなくなったのか電器仕掛で首を廻していたティラノサウルスは外皮が破れてメカ部分が剥き出しになり“ゴビ砂漠の原始人”のコーナーには多量のゴミが投げ込まれて“ゴミ砂漠の原始人”となってしまった。
○私の通っていた私立O高校では大型客船を仕立てて沖縄へ修学旅行へ行ったがあいにくその日は10年に一度の大時化、当然船内至るところにゲロ有りという悲惨な状況になった。ある先生など生徒の船室に来て「おーい，みんな早く寝らないかんぞ」というなり胃の中のものを床にぶちまけた。
○この時私の友人はバニラのアイスクリームを食べたが10分後にチョコレート（茶色に）して吐いてしまった。
○この修学旅行に出かける前、部屋に散乱していたエロ本が帰ってきたら綺麗に片付けられていた。母親には何も言われなかった。
○高校時代の先輩の話。インキンにヨ−チンを塗っていたら多過ぎたのかその一部が肛門まで流れこんだ。あまりの痛さに悲鳴を上げたら母上がびっくりして部屋の外から「どうしたの、なにかあったの」答えられる訳がない。
○学生時代お金がなくて友達からもらったサツマイモをオーブントースターで焼いて食べていたら翌月何時もの3倍以上の電気料金の請求が送られてきた。
○私が学生時代に住んでいた下宿はストーブ禁止だった。その為、冬の朝一番の日課はやかん一杯のお湯を沸かして部屋を暖めることだった。
○これは私の弟から聞いた話だが友人の家族がホットカーペットの上に一家揃って寝ていたら次の朝みんな低温火傷になったそうだ。
○アメリカに住んでいたとき安いインスタントラーメンを作ったらハエの卵が一杯浮いてきた。それ以外に食うものもお金も無かったので泣く泣く麺だけ食べた。
唐突ですがこれは私の飼っている熱帯魚です。どうです、凄いでしょう。