　　　　　　　　　　　　　　　　　ジュディ・ガーランドのひみつ

　ここでは普段、あまり語られることのないジュディ・ガーランドの暗部に迫ってみたいと思います。万が一ジュディ・ガーランドが日本テレビの“知っているつもり”で取り上げられることがあっても絶対放送できませんな。こんな話。

○ジュディ･ガーランドの父、フランク･ガムは同性愛者だった。

○ジュディ･ガーランドはガムシスターズの一人として6歳の頃から舞台に上がっていた。

○ジュディ･ガーランドの本名はフランシス･エセル･ガム。ガーランドの由来には諸説あり、「ニューヨーク･ワールド･テレグラム」の劇評家ロバート･ガーランドの名前を借りたとか、彼がガムシスターズを「君達はガーランド（花輪）の様に可愛い」と評した（このロリコンめ）からとか、また映画「特急二十世紀」の劇中でリリー･プロトカからリリー･ガーランドに改名した主演女優にちなんでなどと言われている。一方ジュディの方はホーギー・カーマイケルの同名の歌からとられたらしい。

○ようするにフランシス・ガムという田舎臭い名前では大衆受けしないとＭＧＭは考えたんでしょうな。

○ジュディ･ガーランドは1935年9月27日にＭＧＭと契約したときから自分の容貌についてのコンプレックスに悩まされ始めた。結局このコンプレックスは1969年の死に至るまで彼女の人生に大きな影を投げかけることになる。　

○ジュディ･ガーランドとＭＧＭが交わした契約には「スリムでいる事」という条項が入っていた。彼女はひどく太り易い体質だったのである。撮影所の医師は14歳のジュディにダイエット薬を処方したが驚いた事にこの薬にはアンフェタミンが含まれていた。当時のハリウッドでは太り易いスタアがこの薬を服用するのは当たり前だったのだ。この為、ジュディは不眠にも悩まされる様になり合わせてセコナ－ル（睡眠剤）を服用するいう悪循環に陥ってしまった。

○以前、小森のオバちゃまがある雑誌にこんな事を書いていた。「あたしがジュディ･ガーランドに会ったのは19＊＊年。あれはラスベガスのディナーショーだったかしら、森の小枝よ」　普通、こういうのは会ったと言わない、見たんじゃないかと思うがどうだろう。

○1941年、ジュディ･ガーランドは19歳で作曲家のデヴィッド･ローズと結婚した。ＭＧＭはその年の4月に行われたディアナ･ダービンの結婚式にならって彼らの結婚式を一大イベントにしようと目論んだが、それを嫌った二人は映画「ブロード･ウェイ」の撮影中に抜け出しラスベガスでさっさと結婚してしまった。ＭＧＭの総帥、ルイス・Ｂ・メイヤーは怒り狂った。

○彼らの“静か過ぎる結婚式”が遠因となったのかもしれない。ジュディは1942年に最初の子供を身ごもったがＭＧＭは次回作「フォー･ミイ･フォー・マイ・ギャル」の撮影に差し支えるという理由で彼女に中絶を命じた。ジュディはやむなく当時のカリフォルニア州で違法だった堕胎手術を受けた。ひどい話だ。

○ジュディ・ガーランドとデヴィッド・ローズは1943年に離婚した。後にジュディ自身が語ったところでは、結婚生活が破綻をきたした本当の原因はジュディが彼にセックスについてある事を提案した時「軽蔑に値する」と言われたことにあったそうだ。あああ、お、おれのドロシーが、おれのドロシーがぁああ。

　○当時のハリウッドでは性のモラルなど無きに等しかったらしい。だいたい田舎町にいきなり幾つものスタジオが出来たもんだから皆、ヒマを持て余してパーティとかセックスしかやる事が無かったのだ。ずっと後になってジュディは「１０代になると初体験が待ち遠しくてたまらなかったわ」と語っている。あああ、お、おれのドロシーが、おれのドロシーがぁああ。

○ジュディ・ガーランドは性について一切の差別意識を持たない人だった。ゲイの友人達とも必要以上に親しく交際し、デヴィッド・ローズと離婚してからはある女性とレスビアンの関係になったといわれている。あああ、お、おれのドロシーが、おれのドロシ－がぁああ（あー、それはもういいから）。

○ジュディ・ガーランドはこの頃から自分の体調にかこつけて映画の撮影を休む様になった。1948年の映画「踊る海賊」は撮影に135日を要したがこの内でジュディが顔をみせたのはたったの36日である。（このような事情を知ってなお「マック・ザ・ブラック」を歌い踊る彼女は溜息が出るほど素晴らしい）映画自体もこけてしまいジュディは次第にＭＧＭの重荷になっていった。

○ジュディ・ガーランドは映画「踊る海賊」の撮影終了後、薬物中毒の為にとある療養所で2週間の集中治療を受ける羽目になった。彼女は後にこの体験を“私の最初の精神病院”と評した。

○映画「イースター・パレード」でアステアと共演する事になったジュディ・ガーランドはこれを非常に喜んだという。彼女はアステアを畏敬していたのだ。撮影自体も順調に進み「イースター・パレード」は彼女の最良の映画のひとつとなった。そしてガーランド＝アステアコンビの次回作として実在したダンスチームの伝記映画である「ブロード・ウェイのバークレー夫妻」がオファーされた。

○しかしジュディ・ガーランドはまた薬物に頼り始めた。なんたって主演女優が撮影所に来ないのである。ＭＧＭは「踊る海賊」の愚を繰り返す事は出来ずジュディを停職処分とし、代役としてアステアの元のパートナーであるジンジャー・ロジャースを起用した。これがジュディをいたく刺激したらしい。ある日、彼女は完全な衣装とメイクでセットに現れ（オロされるまではろくすっぽ来なかったくせに）何事も無かったかのようにリハーサルを開始した。その形相のあまりの凄さにジンジャー・ロジャースは「ヒッ」と叫んで楽屋に逃げ込んだ。こうしてまた撮影が1日延びたのである。

○「ブロード・ウェイのバークレー夫妻」以降、ジュディが関った映画で撮影が順調に進んだのは1949年の「イン・ザ・グッド・オールド・サマータイム」しかない。続く「アニーよ、銃をとれ」では２曲のナンバーを撮影した所で彼女の病気がぶり返し、結局ベティ・ハットンと交代させられた。ジュディは再び薬物中毒の治療を受け、回復したかに見えたが、退院した彼女は「アニ－よ、銃をとれ」のセットへ押しかけ陽気に挨拶してきたベティ・ハットンに「この＊＊＊＊＊＊」。少しも直っちゃいなかったのだ。

○ジュディ・ガーランドのＭＧＭにおける最後の映画は1950年の「サマー・ストック」である。入院の為、20ポンド太ったガーランドはまたも破滅的な行動を繰り返し、撮影期間は8ヶ月にも及んだ。この間ガーランドはダイエットに成功しあの素晴らしい「ゲット・ハッピー」のナンバーを撮り終えたが、ＭＧＭは完全に彼女を見限り、彼女が次回作「ロイヤル・ウェディング」を頓挫させるに至ってついに契約解除を宣告した。時に1950年9月28日のことである。　

○ジーン・ケリーは映画「サマー・ストック」についてこんな事を言っている。「この映画に出るのはデヴュ－作（1941年のフォー・ミイ・フォー・マイ・ギャル）でジュディ・ガーランドに助けてもらったのでその恩返しがしたいからに他ならない。」しかし他のインタヴューでは「ジュディは口が臭くてキスシーンがとてもイヤだった。」　いやな奴である。

○数年前、イギリス（だったと思う）で「ジュディ・ガーランド」というミュージカルが作られヒットした。日本でも上演されたのだが主演したのが小柳ルミ子と大澄賢也。二人で映画「イースター・パレード」の名ナンバー “素敵なカップル”（A COUPLE OF SWELLS）を踊ってしまったそうだ。　・・・・・・・・（笑いで体が震えている）、お、お前ら、二人してオレを笑い死にさせるつもりか。

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