パイオニア　ＶＳＡ-ＡＸ10

　こいつの特徴はなんと言っても自動音場補正機能　ＭＣＡＣＣですわ。パイオニアはん、こないなふうに言っておられます。「ソースに潜む感動のすべてを、きめ細かに、そして鮮やかに再現する。その実現には厳密な音場補正は不可欠でした。この命題にパイオニアは『Air Studios』との共同プロジェクトから、革新的な自動音場補正機能『MCACC（Multi-Channel Acoustic Calibration System）』を新開発。これまで聴感に頼っていた非常に難易度の高い各スピーカーの音量、距離、音質の設定を、DSP技術を用いたフル32ビットで自動演算化。マルチチャンネル再生でリアルな音場を得るために重要な各スピーカーセッティングが正確に行えます。」ようわからんけど、とにかく凄いんだす。

　えー、付属のマイクを視聴ポジションにおいてＭＣＡＣＣをスタート、すると、自動的にヴォリュームが上がって、テストトーンが出力されます。「でんがなー、でんがなー」「まんがなー、まんがなー」「なんでやねん、なんでやねん」こういうテストトーンが各スピーカーから出力されるんですわ。ただ口をぽかんと開けてぼやっとしてたらスピーカーの調整が自動的に終わってしまうという・・・。

　この調整は次の手順で行われます。暗騒音の測定（一定レベル以下であること）-マイク感度の確認（無相関音を一度に出して判定）-スピーカーレベルチェック　有無判定（ピンクノイズの広域テストトーン）-スピーカーシステムの判別、大小判断（低域のリニアリティーをチェック）-スピーカーの距離判定、ディレイの設定（低域スペクトラム集中特殊テストトーン）-スピーカーのレベル調整(THX準拠のテストトーン75dBSPL)-スピーカーの周波数特性を補正[フラット基準]（周波数追い込み計測を数回実施）-スピーカーの周波数特性を補正[フロント基準]（無相関テストトーンにて計測）-スピーカーレベルの最終調整（周波数補正を加味したヘッドルーム最適化も行う）

こんな簡単でええのん？聞きたくなりますわ。

使いこなし

　現在、サラウンドバック用パワーアンプをフロントに回したバイアンプで使用中。設定上7.1チャンネルサラウンドは不可能となるが、それを不満に感じさせないほどの音の良さ。シングルアンプでも以前使用していたパイオニア・プリメインアンプＡ-07に匹敵しており（一長一短があったが）、バイアンプで完全に定価22万円のＡ-07を凌駕してしまった。当初は7.1チャンネルに拘ってバナナプラグを使ってＣＤを聞くときはバイアンプ、ＤＶＤなどの映画ソフトを鑑賞する時は7.1チャンネルという具合に使い分けようと思っていたのだが、いったんバイアンプで『ジュラシックパーク』を見てしまったら、もう元に戻れなくなってしまったのである（笑）。ピュアオーディオの音でみる映画がこんなに凄いとは思わなかったぞ。また全体のスピーカー特性をフロントのＴＤ-700に合わせたらさらに聞きやすくなってびっくり。つくづく凄いＡＶアンプなのであった。

　センタースピーカーは使用していない。以前リアスピーカーとして使っていたＪＢＬ316ＰＲＯを転用しようとしたら、あまりに力不足でフロントの音が濁ってしまったため。ファントム再生であるが、台詞の定位はぴったり。現状ならばセンタースピーカーの必要はないだろう。

　2003年フロント2チャンネルにパワーアンプ　ラックスマン　Ｍ-7ｆを導入。使わなくなったメインのパワーインにサラウンドのプリアウトを接続して、サラウンドチャンネルのバイアンプ駆動を試みる。結果は見事に成功。結果的にリアチャンネルを強化することができた。なお、音場補正ＭＣＡＣＣも正常に作動。実にいい感じでなってくれている。この使いこなし、なんでメーカーは推奨しないのかな。

アクセサリー
　ハーモニクスの電源コードＸ-ＤＣ15を使用。これは在庫処分のために格安で売られていたもの。壁コンのＷＡＴＴＡＧＡＴＥ381との組み合わせでさらに音質をブラッシュアップさせてくれた。

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